
デジタル印刷技術の進化により、バリアブル印刷は個別化された印刷物の大量生産を可能にします。名前や住所、画像など、異なる内容を一度に印刷することで、マーケティングや顧客対応が向上します。このガイドでは、バリアブル印刷の基本から利点、事例、発注時の注意点までを紹介し、効率的かつ環境に配慮した印刷物の生産方法を解説します。印刷発注者の皆さまにお役立ていただければ幸いです。
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バリアブル印刷とは?
バリアブル印刷とは、個々の印刷物に異なる内容を印刷する技術を指します。主にデジタル印刷技術を用いて、異なる名前、住所、画像、クーポンコードなどを一つの印刷工程で作成できます。これにより、一度に大量の個別化された印刷物を効率的に生産することが可能になります。
仕組みとプロセス
■デジタル印刷技術
バリアブル印刷の核となる技術は、デジタル印刷です。デジタル印刷は、コンピュータデータを直接印刷機に送信し、オンデマンド印刷機を使って印刷します。これにより、従来の印刷方法とは異なり、版を作成する必要がなく、印刷するデータを簡単に変更することができます。
■データ管理と印刷プロセス
大量のデータを効率的に管理し、印刷プロセスに反映させることが重要です。例えば、CSV形式で顧客情報や製品情報を管理し、これらのデータをバリアブル印刷ソフトウェアにインポートして活用します。このプロセスは自動化されているため、ミスを最小限に抑えながら大量の印刷物を迅速に生産することができます
発注者が知っておくべき利点
■個別データに対応
宛先や宛名のような個別データを正確に印字することで、顧客ごとのパーソナライズされた対応が可能です。また、大量のデータを効率的に管理し、迅速に処理することができるため、業務の効率化にも貢献します。
■無駄の少ない印刷の実現
必要枚数が異なる場合の印刷にも対応できます。例えば、同じデザインのチラシで、問い合わせ先だけが可変となり各支店や支社、自治体などの名前を印字する場合、○○店には350部、□□店には185部というように、送る枚数を細かく指定して印刷することが可能です。これにより、効率的な在庫管理と無駄な資源を使わない印刷が実現します。
■環境配慮のアピール
このようにバリアブル印刷は、デジタル印刷技術を活用しているため、従来の印刷方法に比べて廃棄物を減少させることができます。また、FSC認証紙など持続可能な用紙を使用することで、環境に配慮したプロモーションが可能です。たとえばバリアブル印刷で使える環境紙には以下のようなものがあります。
他の環境紙についてご要望がある場合はこちらからお問合せ下さい。
印刷発注のポイント
バリアブル印刷を成功させるには、失敗を防ぐ仕組みが整った、経験豊富で信頼できる印刷会社を選ぶことが重要です。特に、トラブルへの対応や安定した運用が可能なこと、個人情報を適切に扱うためにPマークを取得していることがポイントです。お客様から預かった可変データリストを印刷物のデザインへ正しく効率よく落とし込む作業は、エンジニアリング的な技術が求められる難易度の高い工程です。この構築が不十分だと、大きな失敗につながるリスクもあります。
■バリアブル印刷のフローガイド
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適切な印刷業者の選定
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印字レイアウトと可変データリストの準備
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プレビューと確認
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実際の印刷とアッセンブリ(封入封緘やセット作業)
よくある失敗例と解決策
■古いデータに基づいた誤った情報
事例その1:修正したデータを送ったつもりが、誤って修正前の古いデータを送ってしまった。
解決策:命名規則にルールを設け、修正後のデータが確実にわかるようにしましょう。
■フィルターの確認不足
事例その2: 顧客リストに対してフィルターを設定していたことを忘れ、送付顧客に漏れが出た。
解決策: フィルター設定を確認し、対象となる情報が隠れていないか気を付けましょう。
■不要な情報によるデータの取り間違い
事例その3: 不要な会社住所が記載されていたため、誤って間違った住所に送られてしまった。
解決策: データ管理の際に不要な情報を除去するようにしましょう
■セル内改行により複数情報を入力する
事例その4:例えば、役職欄にセル内改行で2つの役職を入力すると、見た目には分かれて表示されますが、データとしては改行が認識されず情報が連結されてしまいます。
解決策:セル内改行は使わず、列を増やし役職1、役職2などセルを分けて入力することをお勧めします。
■仕上がりをイメージせずに作った可変データによる間違い
事例その5:表彰式の名札など、名前の表記に失礼のないよう配慮が必要な印刷物で、姓名の間のスペースの位置が違ったため区切りを間違った。
解決策:事前に姓名を分けたデータを用意しチェックすることで、間違いを防げるだけでなく、予定していた納期を延期することなくスムーズに進めることが可能になります。
バリアブル印刷には、宛名印字のように郵便物を正確に届けるためのものから、表彰状や資格証明書、招待状、お礼状など、特に高い品質が求められる印刷物まで、さまざまな種類があります。ここでいう品質とは、名前などの表記に間違いがないことに加え、丁寧で礼儀正しい表記や形式の適切さも含まれます。それぞれの目的に応じて、求められる「品質」には大きな違いがあります。
初めてバリアブル印刷を発注する際や、過去の発注で失敗した経験があり不安を感じている場合でも、多くの実績を持つ印刷会社に相談すれば、目的に合った最適な方法を提案してもらうことで、失敗なく印刷を進めることができます。
事例:バリアブル印刷はどんな場合に使われている?
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宛先や宛名の印字
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挨拶状や表彰状
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IDやパスワードなどの印字
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支店や支社、各自治体などにより必要枚数が違うDMなどの印刷物
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チケットなどのナンバリング
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名札や資格証明など画像や名前の可変
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カレンダーの画像可変
まとめ
バリアブル印刷は、個別化された対応が可能で、業務効率を高めるだけでなく、環境にも優しい印刷方法です。この特長により、顧客満足度の向上や資源の無駄削減といった効果を同時に実現できます。ぜひ、バリアブル印刷を取り入れて、皆さまの事業活動にご活用ください。
<発注ご担当者様へ>
バリアブル印刷、なんだか難しそうだな…と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、お気軽に望月印刷へご相談ください。最低限、「どんなものが作りたいか」だけを営業員にお伝えいただければ、仕様や素材などのご提案も含め、専門知識を持ったスタッフが、細やかに対応いたします。
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