印刷現場を見て、立教大学生が気付いたこととは?|工場見学レポート
目次 立教大学生による工場見学レポート ...
赤松 敏
印刷物を作る際、環境への配慮は、もはや欠かせない前提となってきました。
しかし、「環境を意識すると、デザインの表現が制限されるのでは?」と懸念されたことはありませんか?
実は、今の資材選びは、「環境への責任」と「理想の表現」を両立できるほど、多彩に進化しています。紙の質感やインキの色、印刷方法など、一つひとつを丁寧に選ぶことで、無理のない「これからのモノづくり」が見えてきます。
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「環境に配慮した紙」と聞くと、
といったイメージを持たれる方もいるかもしれません。しかし実際には、FSC®認証紙は、品質と多彩な表現を両立できるサステナブルな選択肢です。FSC®認証紙が広がり始めた頃は、上質紙やコート紙など、比較的定番の印刷用紙が認証紙の中心でした。ところが近年、環境配慮へのニーズの高まりを背景に、その選択肢は大きく広がっています。
現在では、上質紙、コート紙、マットコート紙といった定番紙に加え、
など、用途やデザインに応じてさまざまなFSC®認証紙を選べるようになっています。「環境への配慮と表現したいイメージの両方に合う紙を選ぶ」そんな選択がしやすくなってきています
FSC®認証紙は「再生紙」を意味するものではありません。森林から生産された木材を原料とする紙にもFSC®認証紙は数多くあり、一般的な印刷物に使われている上質紙やコート紙、マットコート紙などにも認証製品があります。そのため、現在使用している紙の質感や印刷品質を大きく変えることなく、FSC®認証紙へ切り替えられるケースもあります。
FSC®認証紙は、特別な素材を使った高級紙というわけではありません。一般的な用紙として流通しているFSC®認証紙も多く、選ぶ銘柄によっては、これまで使用してきた用紙と大きくコストを変えずに切り替えられる場合があります。環境配慮を取り入れるために、必ずしも大幅なコストアップが必要というわけではありません。
FSC®認証紙を使用し、所定の条件を満たして製造された印刷物には、FSC®認証マークを表示することができます。パンフレットや会社案内、カタログなどに認証マークを表示することで、森林資源に配慮した資材を選んでいることを、手に取る方にも分かりやすく伝えることができます。
ただし、FSC®認証紙を購入するだけで自由に認証マークを付けられるわけではありません。
認証マークを表示する印刷物は、FSC®認証を取得した印刷会社の管理のもとで製造する必要があります。
FSC認証印刷完全ガイドはこちらから
「環境に配慮したインキ」とひとことで言っても、そのアプローチはさまざまです。
石油系溶剤の使用を抑えるもの、植物由来の原料を活用するもの、乾燥・硬化の仕組みから環境負荷を抑えるものなど、それぞれ異なる方法があります。
Non-VOCインキ
Non-VOCインキは、構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたインキです。VOCの排出を抑えることで、大気環境への負荷低減につながります。
植物油インキ
植物油インキは、植物油や再生植物油を使用したインキです。
Non-VOCが「石油系溶剤をどれだけ抑えるか」という視点であるのに対し、植物油インキは「どのような原料を使用するか」という視点から環境に配慮するものです。
UVインキ・LED-UV印刷
UV印刷では、紫外線を照射することで瞬時に硬化するUVインキを使用します。
一般的な油性インキとは乾燥の仕組みが異なり、乾燥待ちの時間を短縮できるほか、VOCの発生を抑えられる点も特長です。
こうした環境配慮型のインキには、条件を満たすことで、印刷物にNon-VOCインキマークや植物油インキマークを表示できます。環境に配慮した資材を選ぶだけでなく、その取り組みを手に取る方に分かりやすく伝えられることも、印刷物ならではのメリットです。
望月印刷では、オフセット印刷にLED-UV印刷方式を採用し、すべての印刷物にNon-VOC対応のインキを使用しています。さらに、条件に応じてNon-VOCインキマークや植物油インキマークを表示することも可能です。
色は、インキだけで決まるものではありません。同じインキを使っていても、紙の白さや表面の質感、インキの吸収具合によって、仕上がりの印象は変わります。たとえば、表面が平滑なコート紙では比較的鮮やかに見えやすい一方、上質紙やファンシーペーパー、クラフト系の用紙では、インキが沈み込んだり、紙そのものの色味が影響したりすることがあります。つまり、「DIC○番」「PANTONE○番」と指定すれば、どの紙でもまったく同じ色に仕上がるわけではありません。
だからこそ、
「色を考えることは、紙を考えること」でもあります。
理想の印刷物をつくるためには、紙、インキ、印刷方式を別々に考えるのではなく、
それぞれの相性を見ながら選ぶことが大切です。
目的によって、最適な組み合わせは変わります。必要に応じて色校正を行い、実際の用紙に近い条件で仕上がりを確認することで、完成イメージとの差を小さくすることもできます。
また、用途に合った紙や印刷条件を選ぶことは、仕上がりだけでなく、印刷時の調整や予備紙、加工時のロスを抑えることにもつながります。サステナブルなモノづくりとは、単に「環境配慮型の材料を使うこと」だけではありません。必要な品質や表現を実現しながら、余分な材料や工程を増やさず、目的に合った仕様を選ぶことも、その一つです。
望月印刷では、さまざまなFSC®認証紙を実際に手に取って比較できるサンプルをご用意しています。定番の用紙をはじめ、パール調、クラフト調、トレーシングペーパーなど、表現の幅を感じていただけるラインナップです。厚さや色味のバリエーション、在庫状況については、営業員にお問い合わせください。
実際の紙をご覧いただきながら、
「この紙なら、この色はどう見える?」
「今使っている紙から、FSC認証紙に切り替えられる?」
「見栄えもよく、コスト感もいい紙は?」
といったご相談も承ります。
まずは紙を見て、触れて、比べるところから。
皆さまの理想の表現に合う一枚を、ご一緒に探してみませんか。